目を閉じる~五感の一つを断つ~
深い練習をする最も簡単な方法は「目を閉じる」ことです。もちろん目を閉じた「だけ」で深い練習になるわけではなく、目を閉じた「状態で」練習をすると深い練習になるという意味ですが。
目を閉じると集中力を妨げる要因がひとつなくなり、五感の中の視覚を除く4つの感覚(聴覚、嗅覚、味覚、触覚)が研ぎ澄まされて、新しいフィードバックが可能になります。
慣れ親しんだスキルでは新鮮な感覚を覚え、練習中のスキルでは課題が明確になったりもします。
スポーツの世界ではバスケットボールの神様といわれたマイケル・ジョーダンが目を閉じてフリースローの練習をしていたことが知られています。
某国海軍の特殊部隊は暗闇(目を閉じているのと同じ状態)で武器を組み立てたり、他の兵士と協力してテントを張ったりする訓練をおこなっています。
個人的な経験では、大学時代に突然暗闇状態でギターを弾く機会がありました。演奏会に向けて某有名アコースティックデュオの曲を練習していた時、悪戯で部屋の電気を消されました。それでも構わず弾き続けると意外といけるもんで、ソロパートの手前までは弾き続けることが出来ました。結果として視覚のガイドや補助が必要な部分はまだ「身に付いていない」部分だということが分かりましたし、その後の練習にとって貴重な体験となりました。
今なら録音や録画といった方法もあるとは思いますが、手軽に「制限」をかける方法として「目を閉じる」「暗闇にする」といった手法は有効だと思います。
その17へ続く
前回分は下記より
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