気の種類

人体を構成する基本物質としての「気」には4種類のものがあります。

 

①宗気

 宗気は肺に吸入された自然の精気と水穀の精微により生成され胸中に集まる気の事です。気の6つの作用のうち特に推動作用が強く、胸部にある臓器(肺と心)の働きに関与します。心拍運動の促進、経脈内での気血の運行を主り、肺の呼吸活動を補助して発声も主ります。宗気が不足すると呼吸や脈拍に異常が生じることがあります。 

 

②営気

 営気は脾の働きにより水穀の精微から生成されます。気の6つの作用のうち特に栄養作用を強く示し、経脈を通して運ばれ全身を栄養します。

 

③衛気

 衛気は腎中にある先天の精気と水穀の精微から生成されます。気の6つの作用のうち特に防御作用と温煦作用を強く示し、体内では臓腑組織を温め、その活動を活発にします。体表では肌皮を保護して外邪の侵入を防ぎ、腠理(毛穴)の開閉に関与し発散や皮毛(皮膚や体毛)を潤し、体温調節を主ります。

 

④元気

 元気はたくさんある気の中で最も重要で基本的なものであり、「原気」「真気」とも呼ばれます。両親から受け継いだ先天の精が変化化成したもので、生命活動の原動力となり、人体の成長発育の促進や臓腑経絡などすべての組織器官の活動を促進します。

 

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気の生理作用

 気は栄養・推動・温煦・防御・固摂・気化の6種類の生理作用を持っています。

※生理作用…健康な状態の時、体内で果たしている役割のこと。

 

①栄養作用

 気は水穀の精微(現代の栄養素に相当するもの)などから得た栄養物を含んでいるため、人体の各部を栄養することが出来ます。

 

②推動(すいどう)作用

 推動には、推進・促進という意味があり、気は臓腑組織の活動を活性化したり、血脈や津液など経絡の流れを促進したりします。気が不足すると臓腑の機能低下や血の停滞、津液の停滞などの病変が現れます。

 

③温煦(おんく)作用

 気は温性が強く、体温の維持をはかったり、各臓腑組織を温め、その活動を促進する働きをします。一般的に種々の活動性は冷えると低下し、温まると促進されます。気が不足すると手足も冷え、体温も低下します。人体が正常な体温を維持し、活動できるのは気の温煦作用を受けているためです。

 

④防御作用

 気は体表を保護し外邪の侵入を防ぎ、さらに侵入した病邪と戦う機能を備えています。気が不足すると 外邪も侵入しやすくなり、侵入した外邪とも戦えず疾病にかかりやすくなります。

 

⑤固摂(こせつ)作用

 気は血や津液などの人体を構成する物質が必要以上に体外に漏れ出ないようにする働きをします。気が不足し機能が低下すると、汗や尿の量が増え、出血も多くなります。

  

⑥気化作用

 気は、気・血・津液および精などを相互に変化させたり、津液を代謝過程中で汗や尿に変化させる働きをします。

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気の概念

 中医学では気について二つの概念が示されています。

 

①気は人体を構成する物質であること。

②気は活動性や運動性を持つこと。

 

 ①は少しイメージが難しいかもしれません。目に見えないほど小さいと定義すれば少し分かりやすいでしょうか。②の方が一般的な気のイメージに近く想像しやすいでしょう。

 

 気の運動形式は「昇降出入」といいます。

※昇降…上下の運動で体内のエネルギーを循環させる動き。

 出入…発散したり収納したり、中に入り中から出る動き。

 

 体中を巡り、出たり入ったりするイメージですね。

 

 気の過不足による不調として、中医学では、物質的に気が不足して、不足部分の気が行っている生理機能が低下することによって疾病が発生するものを「気虚(ききょ)」。気が局部に停滞して運動性が低下することによって疾病が発生するものを「気滞(きたい)」と呼びます。

 

【まとめ】

気とは人体を構成する最も基本的な物質であり、生命活動を維持するのに必要な物質である。また、気は活動性や運動性を持つ。

 

※あくまで人体に限定した”まとめ”です。気にはもっと広い考え方があります。 

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