人の脳の未来予測 その8

 前回に「急ぐことが必ずしも悪いことではない」という実験結果を紹介したが、「決まった動作を繰り返す」という方法も良い結果に繋がる。

 

 ある実験によると、バスケットボールのフリースローの前に常に決まった動作(何度かボールをバウンドさせ深呼吸をし、ゴールに目をやってから額の汗をぬぐう など)を行う選手はフリースローの成功率が84%に達するのに対し、そういった決まった動作を行わない選手の成功率は71%にとどまった。

 

 

 またプレッシャーに対する意識を変えることによって良い結果に繋げられることも分かってきた。

 

 掌に汗をかいたり、心臓の鼓動が速くなったりなどプレッシャーがかかった時にでる現象に対して、「良くないこと」「競技に悪影響を及ぼすこと」と捉えるのではなく「興奮が高まっている証拠」と捉えるように指導したところ何も言われなかった時よりも結果が良くなったという実験結果が出ている。

 

 

 さらに、普段の練習からプレッシャーのかかる状況で行うことによって本番でのミスを減らせるのではという考えで、ある実験が行われた。

 

 セミプロレベルの2つのバスケットボールチームにいくつかの状況・条件でフリースローをしてもらい、その成功率の変化を調べた。

 

 まずは2つの状態でフリースローを行った。

 

①何もプレッシャーのない普通の状態

 

②プレッシャーのかかった状態

 

※プレッシャーのかけ方は、プレーを録画する・成功率によって賞金を出す・コーチや他の選手にもじっくり見られる・「これが決まれば試合に勝てる」という想定で投げる などが行われた。

 

 結果、プレッシャーのかかった状態ではどの被験者も5%ほど成功率が下がった

 

 

 そこで今度は2チームに違ったアプローチでフリースローの練習を行ってもらった。次の実験までにどちらのチームにも9回の練習を行ってもらったが、一方のチームには普通に練習するように指示し、もう一方のチームにはプレッシャーをかけた状態で練習するように指示した。

 

 

 数週間後、2回目の実験を1回目と同じように行った。

 

 結果、普通の練習を行っていたチームの被験者はプレッシャーがかかると成功率が下がったのに対して、プレッシャーをかけた状態で練習したチームは、プレッシャーがかかった状態でも成功率が下がらなかった。それどころか成功率が上がったのである

 

 

 こういった事例からナショナルチームレベルでプレッシャー対策の練習を行う国々も出てきている。

 

 

その9に続く

 

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